RETRO BACK PAGE ようやくたどり着いたライブ会場
えー、ようやく会場へ到着しました。
今回の会場は、仙台・勾当台公園近くにある「RETRO BACK PAGE」。
めぐさんのライブではおなじみの会場だそうですが、私は今回が初めてです。
雑居ビルの8階にあり、ちなみに7階は歯科医院。
もしエレベーターを一つ押し間違えていたら、ライブではなく歯石を取って帰るところでした。
土砂降りの中、ビル1階ではスタッフの皆さんが入場受付とドリンクチケットの交換を行っていました。
先日の静岡公演と同じく、整理番号順に入場し、好きな席へ座るスタイルです。
受付を済ませ、エレベーターで8階へ。
店内は落ち着いた雰囲気のバーという印象でした。
私たちは比較的後ろの整理番号だったため、座席はカウンター寄りでしたが、この会場はステージとの距離がとても近く、後方でも十分に一体感を味わえます。
まずは終演後のサイン会に備え、グッズ売り場へ。
Tシャツとトートバッグを購入しました。
えー、仙台駅で必死に探し回った現金が、ようやく本来の役目を果たす瞬間です。
ドリンクはハイボールを注文。
バーらしくグラスで提供されたのは、個人的にはうれしいポイントでした。
グラスを傾けながら開演を待ちます。
ここまで、本当に長かった。
初対面のガイドさん。
人身事故。
土砂降り。
ATM探し。
地下鉄。
えー、普通なら、この時点でライブ一本分くらいの出来事がありました。
でも、この日の本編はここからです。
照明が落ちる ここからは森恵さんの時間
15時。
店内の照明がゆっくり落ちます。
さっきまで聞こえていたお客さん同士の話し声も自然と小さくなり、会場全体がステージへ意識を向けます。
えー、この瞬間がたまりません。
ライブが始まる前の、ほんの数分。
何度経験しても独特の緊張感があります。
今回もきっと引き込まれる。
そんな期待を胸にしながらも、期待が大きいからこそ「今日はどうだろう」という気持ちも、ほんの少しだけありました。
ところが、その不安は一曲目が始まった瞬間に消えました。
いや、消えたというより、一瞬で持っていかれました。
やっぱり森恵さんでした。
歌声も、ギターも、その場の空気も。
ほんの数分前まで頭の中を占領していた人身事故も、ATMも、地下鉄も、きれいさっぱり消えていました。
気が付けば、音楽しか聴こえていません。
えー、「ああ、今回も来てよかった。」
一曲目が終わる頃には、それだけで十分でした。
ライブというのは、同じ曲を演奏していても、その日のお客さん、会場の広さ、その場の空気でまったく違う表情を見せます。
だから何度でも足を運びたくなる。
そして今回も、その期待を軽々と超えてきました。
数曲を終えたところで、めぐさんがお店の方へ「少しエアコンを弱めてもらえますか」とお願いする場面がありました。
ノースリーブ姿だったので、やはり寒かったのでしょう。
客席でも「確かに寒いな」と感じていた方は多かったのではないでしょうか。
こういうやり取りが自然にできるのも、この会場ならではの魅力だと思います。
「ただいま」から生まれた一曲
今回の弾き語りツアー最大の見どころが、即興曲コーナーです。
会場ごとにテーマが決まり、お客さんからキーワードを集め、その場で一曲を作り上げます。
仙台公演のテーマは「ただいま」。
今回は私も参加しようと決めていました。
思い切って手を挙げ、ファンクラブやYouTubeで使っているハンドルネームを名乗ります。
そして伝えたキーワードは、「玄関」。
ほかにも「大年寺山」など、全部で8つのキーワードが集まりました。
ここからが本当に圧巻でした。
普通なら、「さて、どうしようかな」と考え込んでも不思議ではありません。
ところが、めぐさんは少しだけキーワードを整理すると、そのままギターを鳴らし始めます。
そして、二番まである一曲が、その場で生まれました。
えー、あまりにも自然なんです。
だから「実は仕込みなんじゃないの?」と思われても、無理はないと思います。
でも、静岡でも見ました。
今回も見ました。
迷っている時間はほとんどありません。
その場で集まった言葉を、その場で歌にしてしまう。
ギターを弾く人なら、キーを決めてコード進行を組み立てることはできるかもしれません。
でも、8つのキーワードから歌詞を紡ぎ、それを自然なメロディーへ乗せ、一曲として成立させる。
これは技術だけでは説明できません。
えー、私なら「玄関」で止まります。
その先に出てくるのは、「靴」「傘」「宅配便」くらいでしょう。
ブログなら三千文字くらい書けても、歌詞は一行も書ける気がしません。
改めて、この人は天才なんだと実感しました。
そして、このコーナーにはもう一つ印象に残った出来事がありました。
キーワードを提供したお客さんには、ささやかなプレゼントが用意されていたのですが、私は当然スタッフさんが配るものだと思っていました。
ところが、めぐさんがステージを降り、そのまま客席を回って、一人ひとりへ直接手渡ししてくださったのです。
えー、これは完全に予想外でした。
私の席は、ステージから見ると端の奥。
順番は最後の方です。
少しずつめぐさんが近づいてくる気配を感じながら心臓はバクバク。
「落ち着け、落ち着け」と自分に言い聞かせていましたが、こういう時の私の平常心は、だいたい家に置いてきています。
そして、小柄なめぐさんが私の左側へ立ち、プレゼントを手渡してくださった瞬間、その距離の近さに頭の中は真っ白でした。
えー、せっかく至近距離なのに、私は緊張しすぎて、たぶん愛想笑いにもなっていない顔をしていたと思います。
終演後のサイン会では「私の方向いてたから、見えてるのかなって思った!」と声を掛けてくださいました。
私は視覚障害があり、普段から相手の方向を向いて話すことを意識しています。
そんな何気ない様子まで見てくださっていたことが、本当にうれしかったです。
ライブでは、一人ひとりの表情や反応を大切にし、終演後もその時間を丁寧に共有してくれる。
こういう距離感を自然に作れるところも、めぐさんが多くのファンに愛される理由の一つなのだと、改めて感じました。
ライブの余韻 そしてサイン会
ライブはアンコールを含め、およそ1時間40分。
終わってしまえば、本当にあっという間でした。
終演後は恒例のサイン会へ。
静岡公演で「違う女性と来ました」と釈明した件を、めぐさんはしっかり覚えていてくださいました。
今回は初めてお願いしたガイドさんと来たこと、7月の渋谷3Days、そして8月の名古屋公演にも参加予定であることをお伝えしました。
えー、毎回そうなのですが、この時間になると舞い上がってしまいます。
何を話したのか、あとから思い出そうとしてもほとんど覚えていません。
ライブでは感動し、サイン会では記憶を失う。
どうやら私の脳みそは、一日に処理できる感動の量が決まっているようであります。
ライブの余韻を胸に、私たちは会場をあとにしました。
でも、仙台遠征はまだ終わりません。
牛タン、おみやげ、帰りの新幹線。
そして、初対面だったガイドさんとの距離が、一番縮まった帰り道。
続きは後編でお届けします。

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