えー、清水へ向かったのであります
えー、5月30日。
静岡市清水区のSOUND SHOWER ARKで開催された森恵さんのライブに参加してまいりました。
開場16時、開演16時30分。
この会場は森恵さんにとってはおなじみのライブ会場とのこと。
しかし私にとっては今回が初訪問であります。
もっとも、私の場合は会場の外観も内装もほとんど見えておりませんので、
初めて行っても新鮮。
二回目に行っても新鮮。
三回目に行っても新鮮。
という、非常にコストパフォーマンスの高い人生を送っているのであります。
視覚障害者である私は一人でライブ遠征をすることが難しいため、誰かに付き添っていただく必要があります。
今回の同行者は妻であります。
正式な妻であります。
最近は全国各地のライブ参加予定が増えておりますので、
「あの人、毎回違う女性と来ているな」
と思われても不思議ではありません。
その件につきましては後ほどご説明するのであります。
えー、まずはまぐろで腹ごしらえ
せっかく清水まで来たのであります。
ライブだけで帰るのはもったいない。
そこで少し早めに現地入りし、お昼ご飯をいただくことにしたのであります。
目指していたまぐろのお店があったのですが、到着してみると少々待ち時間が発生しておりました。
ライブ前であります。
あまり冒険はできません。
そこで今回は本命のお店を見送り、すぐに入れるお店へ向かったのであります。
注文したのは、まぐろがこれでもかと盛られた豪華なまぐろ丼。
こういうときくらいは少し贅沢をしてもよいだろうと思ったのであります。
ところがであります。
運ばれてきたときには、
「これはなかなかのボリュームだな」
と思ったにもかかわらず、食べ始めるとあっという間。
気がつけばきれいに完食しておりました。
むしろ少し物足りないくらいであります。
最近は食事量を減らしているはずなのですが、どうやらまぐろに関しては別腹だったようであります。
ダイエット中とは思えない食べっぷりだったことを、この場を借りてご報告申し上げます。
もちろん味は申し分ありません。
美味しいまぐろをいただき、気分よくライブ会場へ向かったのであります。

えー、客席に漂う落ち着いた空気
会場は着席形式。
開演前には落ち着いた雰囲気の音楽が流れておりました。
普段はヘビーメタルのライブにも足を運ぶ私としては、
「このあと本当にライブが始まるのだろうか。」
「もしかして文化講演会なのではないだろうか。」
と不安になるほど穏やかな空気でありました。
観客は100名程度。
会場全体をなんとなく把握できる規模感であります。
開演前の会場にはどこかゆったりとした空気が流れ、ライブハウス特有の張り詰めた緊張感とはまた違った心地よさがありました。
もっとも私は、
「サイン会では何を話そうか。」
と頭の中で何度もシミュレーションを繰り返しておりましたので、落ち着いていたのは会場だけだったのかもしれません。
えー、この時点で緊張しているのか、楽しみなのか、自分でもよく分かっておりませんでした。
えー、財布だけは最前列であります
入場後は真っ先に物販コーナーへ向かいました。
終演後のサイン会に備え、Tシャツとタオルを購入。
私はまだ一曲も聴いていないというのに、財布だけは既にライブを最後まで完走したような状態であります。
最近はライブに行くたび、
「今日は何を買おうかな。」
ではなく、
「今日は現金をいくら持ってきたかな。」
と考えるようになりました。
グッズを買うことに迷いはありません。
迷うのは財布の中身だけであります。
えー、ライブが終わる頃には心は満たされ、財布は軽くなる。
どうやらこれが最近の私の様式美になっているようであります。
えー、一曲目で心を持っていかれたのであります
今回のツアーは基本的にギター一本による弾き語りツアーであります。
一部の日程のみバンド編成となっておりますが、この静岡公演は弾き語りであります。
ギター一本、歌声一つで勝負するステージ。
まさにごまかしのきかないライブであります。
そして開演。
一曲目から完全に引き込まれました。
森恵さんの歌声については何度も書いておりますが、やはり凄いのであります。
生演奏なのに、生演奏らしくない。
もちろん悪い意味ではありません。
普通、ライブというものは多少なりとも粗さがあります。
息遣い。
マイクの乗り方。
会場の響き。
そういったライブならではの揺らぎがあるものであります。
しかし森恵さんの場合、その粗さがほとんど感じられません。
例えるなら、最高品質に仕上げられた音源が、そのまま目の前で立体化して歌っているような感覚であります。
しかも不思議なのは、CDのように整っているだけではなく、生演奏ならではの熱量や感情は、むしろ音源以上に伝わってくること。
バンドで音の厚みを作るライブももちろん魅力的であります。
しかし弾き語りは、ごまかしがききません。
歌もギターも、その人自身がそのまま伝わってきます。
私は若い頃からハードロックやヘビーメタルなど、さまざまなライブへ足を運んできました。
だからこそ分かるのであります。
歌とギターだけで、これほど空間を支配し、お客さん全員を引き込めるアーティストは決して多くありません。
音が景色を作るのであります
私は重度の視覚障害者であります。
そのためライブでは、耳から得る情報が非常に大きな割合を占めます。
だからこそ感じるのかもしれません。
森恵さんのライブは、音だけで景色が見えるのであります。
静かな曲では、空気の温度まで変わったように感じる。
力強い曲では、会場全体が前へ押し出されるように感じる。
音楽を聴いているというより、音楽の中へ入り込んでいるような感覚に近いのであります。
見えない私が言うのも妙な話ですが、
あの歌声には、確かに景色があるのであります。
えー、歌を「聴く」というより「浴びる」。
そんな表現の方がしっくりくるライブでありました。
気がつけばアンコールを含めて2時間弱。
体感時間は驚くほど短く感じられました。
「もう終わりなのか。」
と思った頃には終演の挨拶が始まっていたのであります。
ちなみに会社のオンライン会議は一時間でも三時間くらいに感じます。
不思議であります。
えー、即興ソング職人現るのであります
今回のツアーでは、お客さんとのコミュニケーションを大切にしたいということで、各会場で即興ソングのコーナーが設けられております。
ご当地にまつわるキーワードをお客さんから募り、その場で一曲作ってしまうという、なかなか大胆な企画であります。
今回の静岡公演のテーマは「ふるさと」。
客席からは、
「帰り道」
「缶詰」
「鮎の甘露煮」
など、なかなか難易度の高そうなキーワードが飛び出しました。
えー、「鮎の甘露煮」が出てきた瞬間、
「これはさすがに難しいのではないか。」
と勝手に心配してしまいました。
私なら、
♪鮎の甘露煮
♪鮎の甘露煮
♪鮎の甘露煮
で終了であります。
しかし、そこは森恵さん。
難しいキーワードを見事につなぎ合わせ、一つの歌として完成させてしまいました。
即興とは思えない完成度であります。
改めて音楽的な引き出しの多さと、言葉を紡ぐセンスに驚かされました。
えー、私はブログを書くたびにタイトルで悩み、小見出しで悩み、最後の締めで悩んでおります。
それなのに目の前では数分で一曲完成させてしまうのであります。
才能というものは、つくづく不公平なのであります。
えー、サイン会という名の記者会見であります
ライブ終了後はサイン会。
私はファンクラブ会員でありますので、通常の一点に加え、さらにもう一点サインをいただくことができました。
ライブ前に購入したTシャツとタオルへ、それぞれサインを書いていただいたのであります。
そして私は、以前から少し気になっていたことをついにお伝えしたのであります。
今後も仙台、渋谷3デイズ、名古屋とライブ参加を予定しております。
しかし同行者は毎回違います。
妻だったり、ガイドヘルパーさんだったり。
そこで私は、
「毎回違う女性と来ますが、そういう事情です。」
と説明したのであります。
しかも妻の目の前で。
えー、自分で書いていても意味が分かりません。
本来なら、
「ライブ最高でした。」
とか、
「あの曲が大好きです。」
などとお話しする場面であります。
しかし私が選んだ話題は、自分の女性関係についての釈明であります。
我ながら優先順位がおかしいのであります。
もちろん森恵さんは笑って聞いてくださいました。
えー、誰も気にしていなかった可能性は極めて高いのでありますが、私の心の中だけは非常にスッキリしたのであります。
最後には妻とも私とも丁寧に握手をしてくださいました。
こういう距離の近さも、森恵さんのライブならではの魅力なのであります。
えー、次の遊説先であります
次は6月21日仙台。
さらに7月3、4、5日渋谷3デイズ。
8月30日名古屋。
さらに現在は、10月の沖縄公演、北海道公演への参加も密かに検討中であります。
今から楽しみで仕方ありません。
ちなみに7月4日の渋谷と8月30日の名古屋は、今回の弾き語りツアーとは異なり、バンド編成であります。
ギター一本で圧倒された私が、今度はバンドサウンドでどんな世界を体験できるのか。
こちらも非常に楽しみにしております。
えー、最近は飛行機の時刻表やホテルの空室状況を眺める時間が、以前より確実に増えました。
もはや旅行の計画を立てているのか、ライブの予定を立てているのか、自分でもよく分からなくなっております。
まだライブ参加歴は浅いのでありますが、予定表だけはすっかりベテランファンであります。
そういえばライブ初参加となった3月の東京公演では、スタッフの方から、
「関係者の方ですか?」
と尋ねられたのであります。
もちろん違います。
ただのファンであります。
あのときは笑って否定したのでありますが、今こうして予定表を眺めておりますと、
そう思われても無理はないのかもしれません。
えー、これからも各地で歌を浴び、現金を握りしめ、グッズを買い、サインをいただきながら、森恵さんの歌声を追いかけていこうと思うのであります。
そして、次にどんな景色を音で見せていただけるのか。
その日を楽しみに、また次のライブ会場へ向かおうと思います。

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