森恵さんライブ参戦記・前編 ~普通ならここでエンドロール in 仙台 2026.6.21~

初対面のガイドさん ライブより緊張していたのは私でした

えー、6月21日。

森恵さんの弾き語りツアー仙台公演へ参加してまいりました。

今回の遠征は、ライブそのものももちろん楽しみだったのですが、実は私にはライブ以上に緊張していたことが一つありました。

初対面のガイドヘルパーさんとの遠征であります。

今回のライブに合わせ、新たに契約した事業所のガイドさん。

当然ながら、お互い「はじめまして」です。

ライブは2時間ほどですが、自宅を出てから帰宅するまでとなると10時間を軽く超えます。

初対面の人とそんな長時間一緒に過ごす機会など、そうそうありません。

えー、正直に申し上げます。

ライブより、こちらの方がよほど緊張しておりました。

「会話が続かなかったらどうしよう。」

「気まずい空気になったらどうしよう。」

そんなことばかり考えていました。

もっとも、それはガイドさんも同じだったと思います。

「今日はどんな利用者なんだろう。」

「できればクセの強くない人でありますように。」

そう願って待ち合わせ場所へ向かわれたことでしょう。

ところが現れたのは私です。

えー、契約初日に私を担当するとは、前世でよほど徳を積めなかったのかもしれません。

心よりお見舞い申し上げます。

実際にお会いすると、口数は決して多くありませんが、とても穏やかで落ち着いた方でした。

必要以上に話しかけることもなく、それでいて誘導は実に丁寧。

私のように、どうでもいい話で時間を溶かす人間とは正反対です。

結果から申し上げれば、安全面も申し分なく、帰る頃には初対面だったことを忘れてしまうくらい自然に過ごすことができました。

……もっとも、この時の私は、この一日が「ライブ遠征」ではなく「耐久レース」になることを、まだ知る由もありませんでした。

湘南新宿ラインまで私の人生を再現しなくても結構です

今回の予定は実にシンプルでした。

湘南新宿ラインで大宮へ向かい、東北新幹線へ乗り換える。

たったそれだけです。

ところがであります。

湘南新宿ライン、人身事故で運転見合わせ。

えー……。

私の人生も長らく運転見合わせ中ですが、鉄道会社まで私に寄せていただく必要はございません。

しかも「復旧見込み未定」。

このアナウンスを聞いた瞬間、「駅の案内なのか、私の人生なのか。」一瞬だけ分からなくなりました。

もっとも、私の方は見込み未定どころか、運行会社そのものが迷子になっている気もします。

落ち込んでいても新幹線は待ってくれません。

急きょ山手線で池袋へ向かい、湘南新宿ラインが復旧していれば乗車、ダメなら埼京線で大宮へ向かう作戦に変更しました。

池袋へ到着。

まだ動いていません。

ちょうど快速が入線しました。

えー、この瞬間の選択肢は二つ。

「乗る」か、「ライブを諦める」か。

人生では何度もいろいろ諦めてきました。

しかし、森恵さんだけは諦めるわけにはいきません。

迷わず快速へ飛び乗りました。

普段は神頼みなどほとんどしません。

しかしこの時ばかりは、全国八百万の神様へ一斉送信です。

「どうか新幹線に間に合わせてください。」

「ついでに私の人生も正常ダイヤへ戻してください。」

えー、神様も「そちらは保守契約の対象外です」と苦笑いだったことでしょう。

そして大宮駅へ到着したのは、新幹線発車10分少々前。

間に合いました。

人生では何一つ予定どおり進まない私ですが、新幹線だけは予定どおりでした。

今年一番の奇跡かもしれません。

駅弁をゆっくり選ぶ余裕などありません。

ホームのお店で深川めしを購入し、そのまま新幹線へ飛び乗りました。

えー、この日は駅弁を選んだのではありません。

深川めしの方が「今日はお前で十分だ」と私を選んだのだと思っています。

多少傷つきましたが、背に腹は代えられません。

こうして予定どおりの新幹線に乗り、およそ70分。

無事に仙台へ到着しました。

仙台で最初に感動したのは森恵さんではありませんでした

ホームへ降り立った瞬間、歓迎してくれたのは牛タンでも笹かまでも伊達政宗でもありません。

土砂降りです。

歓迎のクセが強すぎます。

もっとも、ライブ前にはどうしても済ませておきたいミッションがあります。

現金を下ろすことです。

めぐさんのグッズ販売は現金しか使えないことが少なくありません。

夢や希望ではTシャツは買えません。

結局、最後に物を言うのは現金です。

まず向かったのは、みずほ銀行のATM。

インターホンは付いていましたが、防災センターとの通話のみで、音声操作には対応していませんでした。

続いて、ゆうちょ銀行のATM。

こちらは音声操作に対応していました。

「助かった!」と思ったのも束の間、引き出せるのはゆうちょ口座だけ。

私のキャッシュカードでは何もできません。

えー、仙台へ来て最初に味わった名物は牛タンではなく絶望でした。

地方都市でも音声操作対応は進んでいるだろう。

そんな勝手な思い込みは、ものの数分で打ち砕かれました。

最後の望みを託したのはファミリーマート。

個人的な経験ですが、地方でも比較的音声操作に対応している印象があります。

土砂降りの中を歩き、駅前の店舗へ向かいました。

すると、こちらはしっかり音声操作に対応。

無事に現金を引き出すことができました。

えー、この日、仙台で最初に私を救ってくれたのは森恵さんではありません。

ファミリーマートです。

ライブを観るために仙台まで来たはずですが、この時点で一番感動していたのはATMでした。

人間、どこで人生のピークを迎えるか分からないものであります。

もっとも、現金がなければグッズは買えません。

推し活にも、結局は資本主義が立ちはだかるのであります。

ようやくライブ会場へ

現金問題をクリアし、そのまま地下鉄で会場最寄りの勾当台公園駅へ向かいます。

ところが、ここでも想定外。

Suicaが使えません。

障害者用きっぷを券売機で、私とガイドさんの分を合わせて2枚購入しました。

てっきりどこかで障害者手帳を提示するものだと思っていましたが、そのような案内は見当たらず、そのまま改札を通ることができました。

利用者としては手続きがスムーズで助かる反面、「本当にこのままでよかったのかな」と少し不思議な気持ちになりました。

地域によって運用が違うのかもしれませんが、私にとっては印象に残る出来事でした。

こうして地下鉄に乗り込み、今回の会場「RETRO BACK PAGE」へ向かいます。


えー、人身事故、土砂降り、ATM探し、地下鉄。

普通ならこの辺りで森恵さんの『エンドロール』が流れてもおかしくありません。

しかし、本編はここから。

続きは中編でお届けします。

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