家庭で語れぬバイト遍歴・各論 ~単四電池学生、研究室に燃ゆ

お詫びと再開のご挨拶

えー、昨年9月21日のテーマパークバイトの記事を最後に、このシリーズはすっかり途切れておりました。
その後は、言い訳程度に何度かの近況報告や新年のご挨拶を記事にしてまいりましたが、
今回こそ本当の意味で「家庭で語れぬバイト遍歴・各論」の再開であります。

なお、近況報告で触れてまいりました健康的な生活習慣は、えー、現在もいちおう継続中であります。
おかげさまで体重は66キロ台にまで下がり、当初の目標であった65キロがだいぶ現実味を帯びてまいりました。
しかし、ここで満足しては、えー、私のような人間はすぐに元の木阿弥であります。
そこで目標をやや上方修正、いや下方修正と申しますか、とにかく60キロへ変更することにしたのであります。

体内の砂漠化だの、給水タンク就任だの、えー、私の生活そのものが寄り道みたいな有様でありましたが、
ようやく本筋に戻ってまいりました。脳内編集部は相変わらず一名体制、
しかも編集長と記者と校正係がすべて同じ人間でありますので、
ときどき道に迷うこともございますが、どうか寛大なお気持ちでお付き合いいただきたいのであります。

前回のおさらいと今回の舞台

えー、前回は地元テーマパークでのフィールドスタッフ体験をお届けしたのであります。
炎天下のパレードで着ぐるみのアテンドを務め、撮影頼まれ職人と化し、
スーパーバイザーから髪色に黄信号も出たのでありました。

それでも必要とされる実感をもらい、私は「人に役立つと調子に乗る装置」だと
自覚した次第であります。では本題、今回はテーマパークから一転、
所属大学の研究室での実験協力バイト——であります。

きっかけ──学生寮・仕送り45,000円であります

えー、私は大学時代、学生寮で生活しておりました。
実家は比較的裕福だったはずなのに、なぜか私の口座だけは通年木枯らし運用。
仕送りは忘れもしない45,000円
この絶妙に足りない数字設定、えー、親の教育方針だったのか、単なる謎采配だったのか、
今となっては定かではありません。

しかし大食漢の私にとって、45,000円という数字はあまりにも心もとない。
毎月、財布より先に胃袋が悲鳴を上げていたのであります。

見かねた同級生が、パンやカップ麺を恵んでくれたり、
ときには金を貸してくれたりもしたのであります。
人徳で助けられたというより、燃費の悪さが同情を誘ったのでありましょう。
えー、私は新種の観葉学生というより、給餌が必要な大型哺乳類でありました。

ちなみに実家の夏冬の電気代は15万円程度でありました。
つまり、私の月々の生活費はそれ以下だったということであります。
エネルギー規模で言えば、実家が原子力発電所、私は単四電池一本
しかも残量表示は常に赤、であります。
この比較が適切かどうかはさておき、当時の私はその事実に妙な敗北感を覚えていたのであります。
研究室の張り紙、それは学問の呼びかけであると同時に、私にとっては日銭の入口でもあったのであります。

所属大学の研究室で実験協力バイトであります

えー、掲示板に「協力者募集」を見つけた私は、
好奇心と薄い財布を両脇に抱え、研究室のドアをノックしたのであります。
テーマは、喫煙前後の体表温の変化をサーモグラフィーで観察するというもの。
説明、質疑、同意書の三点セットを経て、いざ参戦であります。

詳しい手順は細部まで覚えておりませんが、指示されたタイミングで——一本まるごとではなく——
何度か吸い込み、それを断続的に繰り返すというシンプルな内容でありました。
普段は無意識に「うまいなー」と吸っていたタバコも、
コントロールしたで吸うと、えー、これがまったく“うまい”と感じられなかったのでありました。

単発バイトの謝礼は確か5,000円程度だったと記憶しております。
健康面では正直アウト、えー、明らかに割はよくなかったのであります。
今にして思えば、学生の我々は足元を見られていたのだな、と痛感した次第であります。

副産物──自分という装置の取扱説明書であります

えー、この実験で得たものは、論文に載らない私的データであります。
「体は正直」「集中力はすぐ逃げる」「指示を正しく聞くと人は少し賢く見える」。
だいたいこの三本柱であります。

ついでに学んだのは、空腹時にはどんな椅子も高級ソファに見えるという心理であります。
貧は発見の母。いや、発見の前にまず飯を食わせてほしい、
というのが当時の正直な感想でありました。

今回のまとめ──“置物芸”で生活費をひねり出すであります

えー、テーマは立派、中身は地味。
吸って、測られて、結果は研究へ。手元に残るのはレシートより薄い封筒と、
自虐のネタ帳であります。

それでも語れることは増え、財布はわずかに重くなり、
体は少しだけ賢くなった——気がするのであります。
仕送り45,000円時代、私はこうして
研究室の張り紙を小銭と自尊心に変換していたのであります。

次回予告

えー、次回は「治験バイト編」であります。
採血や医師の回診のときこそ神妙な顔をしておりましたが、それ以外は案外自由時間も多く、
参加者も当時の私と同じ学生が大半で、すぐに意気投合してわいわいやっていたのであります。
そんな治験施設の独特な空気感と、私のちゃっかり順応ぶりを、えー、自虐濃いめでお届けする所存であります。

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