ほぼ見えない父の空回り子育て ~やる気だけが先走る夏休みの珍道中~

我が家の小学生の娘、夏休み真っ盛りでございます。しかしながら、喜びの夏休みとは言い難く、むしろイベント盛りだくさんで、ちょっとかわいそうな気もいたしております。

今朝、ピアノの発表会を無事に終えたところであります。私のように鍵盤を触るのもおぼつかない者とは大違いで、実に立派でございます。

あさってからは9日間にわたるイギリス渡航の予定でして、お盆明けからは10日間の塾の夏期講習も控えております。さらには毎週月曜と木曜に学童英会話スクールが入っており、ほんとうに忙しい日々であります。

それに加え、学校や塾の宿題も山ほど抱えておりまして、まさに休む暇もない夏休みでございます。私といえば、夏休みどころか仕事もきちんとこなせているのか怪しいもので、社会の隅でひっそり息をしているようなものでございます。

そんな娘を、近場でもよいからどこかに連れて行ってやろうと思い立ちまして、一昨日LEGO DISCOVERY CENTER TOKYOと日本科学未来館に足を運びました。

ただし、私の視覚の弱さゆえ、娘との外出にはまだ不安もあり、ガイドさんの手配は必須でございます。自分の足で歩くのがやっとの私が、父親の役目を果たしているつもりでいるわけであります。

LEGO DISCOVERY CENTERは、元々LEGOに熱烈な愛情を注いでいる娘にとって、まさにどんぴしゃの場所でございました。

予想を超える長時間の滞在となり、体力の限界を痛感する父親の背中をよそに、娘は元気に走り回っておりました。私の体力はすでに発売終了した旧型の電池のように持ちが悪くなっております。

意外だったのは、ジョイポリスに負けない数の乗り物アトラクションが複数あったことでございます。さすが東京、老体に鞭打つにはちょうど良い遊び場でございます。

そして、ショップの品揃えは言うまでもなく充実の一言。ついつい財布の紐も緩みがちになりまして、LEGOの価格帯もブランド力の賜物と納得せざるを得ませんでした。

そんな中、娘にせがまれたのはなんとフォードマスタングGTダークホースのスケールモデル。私の好きなアメ車を選ぶとは、娘のセンスの良さには驚かされました。

結果として財布の紐は私の意志を押しのけ、軽くなったのは言うまでもありませんが、心は少し満たされました。

ちなみに、昨年はジョイポリスに行きまして、娘は大喜びでございましたが、私の方はと言えば、娘の楽しさの7割はガイドさんに向けられている様子で、少々寂しい気もしたものでございます。

とはいえ、その姿を見て「父親としては及第点かな」と自分に言い聞かせている次第でございます。まあ、私の存在意義とは何か、哲学的な問いでもありますな。

さて、山下本気うどんで遅めの昼食をはさみ、日本科学未来館へ移動いたしました。到着は15時45分を過ぎており、閉館まで残すところ1時間強というところでございます。

チケットブースで「AIスーツケース体験、いかがなさいますか?最終受付は15時50分でございます」と聞かれました。

個人的にはこれが一番の目的でありまして、駄々っ子のように「はい、やります!やります!」と連呼して、なんとか滑り込むことができました。

受付の方は呆れ顔でございましたが、私は視覚は死んでいても、好奇心はまだまだ死んでいないのであります!

視覚に頼らぬ新時代の技術に触れ、意気揚々と体験に臨んだ次第であります。

AIスーツケースは数年前にネット記事で知り、報道番組でも紹介されているのを見ておりました。こうして実際に体験できて誠に幸運でございました。

とはいえ、あらかじめ設定されたエリア内でしか使えず、利用場所拡大が課題のようでございます。

未来はまだまだこれから、試行錯誤の段階であります。

体験後は残り時間15分で、ペット型ロボットが点字でたくさん紹介されているブースを駆け足で見学し、閉館時間となりました。

日本科学未来館は、時間に余裕のある時にゆっくり訪れたい、そんな場所でございます。

私のような視覚の弱い者にも興味深い展示が豊富で、次回はもっとじっくり楽しみたいと思っております。

帰り道、夕食時となり、ガイドさんも予定がなかったので急遽我が家お気に入りのベトナム料理店へ。

国産米使用の生麺フォーがもちもちで絶品でございます。

以前よりさらに美味しくなった気がし、老体にも嬉しい限りでございます。

ビールは333が缶での提供だったため、唯一ジョッキで出ていたハイネケンを選びました。

一日中歩き疲れた身には、フォーに負けない最高の相棒でありました。

慌ただしい夏休みでございますが、娘の元気な姿を見るたび、疲れもどこかへ飛んでいくようでございます。

これからも親子共々、充実した時間を過ごしてまいりたいと存じます。

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